皮膚を切開する手術の場合は時間をかけられる
わきが治療では、皮膚を切開する剪除法などの方がより高い効果を得られるといわれています。
そして剪除法では、医師がアポクリン汗腺を1つ1つ確認しながら切除を行うため、時間と細やかな作業、集中力が必要です。
そのため、片脇ずつ手術を受ける方がアポクリン汗腺の切除にじっくりと時間をかけることができ、作業も丁寧になることは確かでしょう。
多くのクリニックでは手術に手を抜くことはありませんが、まれに両脇の手術では手術時間に制限があることなどから、作業がずさんになるケースも見られます。
日常生活に不便が出ないようにする目的も
片脇ずつわきが治療を受けるメリットは、丁寧な手術を受けられるだけではありません。
手術を受けた後は、患部を数日間動かさずに固定する必要があります。
しかし、両脇を固定してしまっては、日常生活に大きな支障が出ることは明らかです。
そのため、片脇ずつ手術を受けて固定することで、片方の腕は自由に使うことができ、自由ではないもののある程度の動きを行えるようになるわけです。
そして、片脇を固定する期間が過ぎ抜糸をした後に、もう片脇を手術するといいでしょう。
こうした片脇ずつの手術は、多くのクリニックでも採用されています。
合併症を防ぐこともできる
さらに片脇ずつの手術を行うことで、傷がある箇所が単純に2分の1になるため、感染症などの合併症を防ぐことも可能です。
皮膚を切開することから、どれだけ気を付けていても患部から細菌が侵入したり、傷の治癒が思ったように進まず痛みや血腫などが生じたりすることがあります。
このような合併症が両脇に起こると日常生活に支障をきたすほか、症状を抑える薬の処方などでさら費用がかさむことも考えられます。
そのため、合併症のリスクを少しでも減らす目的でも片脇ずつの手術が推奨されているのです。
切らないわきが治療では両脇をまとめる方が効率的
一方、皮膚を切らないわきが治療では、切る外科手術と比べて治療後すぐにほぼ自由に腕を動かせますし、傷が塞がるまでのダウンタイムを考える必要もありません。
そのため、切らないわきが治療を選ぶのであれば一度に両脇の治療を受ける方が効率的でしょう。
ただし、効果に関してはアポクリン汗腺を目視して切除するものではないため、皮膚を切開する方法よりも確実性は多少下がることは否めません。
アポクリン汗腺をより確実に取り除いてわきが治療を終えたい場合は、皮膚を切開する外科手術を片脇ずつ受けることをおすすめします。
その際には、ダウンタイムなどについて医師からよく説明を受けるようにしてください。